TEST1

Contributor:游客39260070 Type:日文 Date time:2018-09-13 16:21:16 Favorite:38 Score:0
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ずっと以前から、翻訳についての本をいつか書きたいと思っていた。それは翻訳の技法や歴史や目的に
ついての本ではなく(まあ、そんなものは書こうと思ったところで書けっこないわけだけど)、「どうして
自分は翻訳をしなくてはならないのか?」というシンプルな疑問に対して、自らが答える内容の本になる
はずだった。というのは、これまでずいぶん多くの人に「村上さんは本職が小説家なのに、そしてけっこう
お忙しいでしょうに、どうしてそんなに熱心に翻訳をするのですか」というような質問を受けてきたし、
僕自身、自分がどうしてこんなに一生懸命、寸暇を惜しんで翻訳に励まなくてはならないのか、ときどき
不思議に思っていたからだ。
 決して自慢するわけではないのだが、プロの翻訳家から作家に「転身」した人々を別にすれば、僕くらい
たくさんの翻訳をこなしている現役の小説家は、ちょっといないのではないかと思う。そして打ち明けて
しまえば、翻訳をするというのは、僕にとって苦痛でもなんでもないのだ。誰に頼まれなくても、翻訳の
ことになると、ついつい手が動いて、仕事が進んでしまう。いったいどうしてそんなことが起こるのだろう?
 それについては、この本の中でも再三語ったし、その結果いくつかの理由や動機のようなものは明確に列挙
できるようになったと思う。しかしそれでもなおかつ、翻訳をしているときに、僕がどうしてこんなにも
「生き生きとした気持ちになれる」のかという問いかけの説明にはなっていないような気がする。それを
わかりやすく説明するのはむずかしい。しかしいずれにせよ、机の左手に気に入った英語のテキストがあって、
それを右手にあるい白紙に日本語の文章として立ちあげていくときに感じる喜びは、ほかの行為では得ること
のできない特別な種類のものである。
 もちろん翻訳というのほけして簡単な作業ではない。手間のかかるし、時間もかかる。大きな責任も負わなく
てはならない。それに対する経済的な報酬も、ほとんどの場合、それほど大きなものではない。しかしそこには
何にもまさる無形の報いがあるように、僕には感じられる。いささかオーバーな物言いをすれば、どこか空の上
の方には「翻訳の神様」がいて、その神様がじっとこっちを見ているような、そういう自然な温かみを感じない
わけにはいかないのだ。
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